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【年上の男】 R18 ※加筆&修正中

第2章 高校教師


「退学ですか?」

彼女はそうポツリとつぶやく。

このご時世、タバコで退学もあり得る話だろう。

退学が心配ならば、こんな場所でタバコを吸うなよと思うが、どうやら彼女はそういう訳でもなさそうだ。



「退学になりたいの?」

「………。」

「ポケットの物も出して。」

とくに悪びれる様子もなく、彼女は黙ったままポケットの中のタバコとライターを差し出してきた。

まるでこうなる事を望んでいたかのようだ。



この年代の若者が考える事など、私には全く理解出来なかった。

“自暴自棄”

その言葉だけでは片付けられない何かを心の奥に秘めている。

最も扱いづらい年頃だ。



「ここだと職員室の前の廊下から丸見えなの。
吸いたかったら、他の場所で吸いなさい。
これは預かっておくから。」



タバコとライターを受け取り、スーツのポケットへとしまう。

私の対応に彼女は驚いた表情を浮かべたが、とくに騒ぎ立てるような事でもない。

「早く帰りなさい。」と、私はその場を後にする。

相変わらず外の風は生ぬるく、私の心をわずかに苛立たせていた。






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