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【年上の男】 R18 ※加筆&修正中

第4章 種


じっと息を殺し、耳を澄ます。

猫の鳴き声は間違いなくこの段ボールから聞こえていた。

私は恐る恐るベンチの下から段ボールを引きずり出す。

もしこれが爆弾だったなら…そんなおかしな妄想をしながらゆっくりとガムテープを剥がした。



中から顔を覗かせたのは、一匹の子猫だった。

小さな身体を震わせながら、必死で声を振り絞り鳴く子猫。

まるで助けを求めているかのようなその姿に胸が締め付けられる。



「もう大丈夫だよ。」



とっさに猫を抱き上げた。

真綿のように軽い身体はとても冷たく、何時間もここに放置されていた事は明らかだった。



狭く暗い段ボールの中、誰に見つけられる事もなく力尽き、眠っていた所へ私がやって来たのだろうか。

そして、私の咳に驚き目を覚ました。

鳴き続ける子猫を強く胸に抱く。

黒い毛並みの小さな小さな命。



「今温めてあげるからね。」



その尊い命にただ涙が溢れた。






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