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【年上の男】 R18 ※加筆&修正中

第4章 種


「ねぇ、1年の飯田理沙って分かる?」

飲み終えたコーヒーの缶を地面に置き、彼女はそうポツリとつぶやいた。

聞き慣れない名前に、私は首を横へ振る。

こうして彼女と過ごすようになってから4ヶ月。

彼女の口から他の生徒の名前が出てきたのは初めての事だ。



「同じクラスの女子。」

「…その子がどうかしたの?」

「入学してすぐ、そいつの“元彼”に告られたの。
でも、興味無かったし断った。」

「そう…。」

「それからなんだよね。
教室入ったらみんな無視…みたいな。

まるで“空気”。
みんな、私が見えないみたいに振る舞うの。
昨日まで普通に話してた相手でさえも。

居づらくなって教室から出て行こうとしたら、飯田理沙が嬉しそうに笑ってた。
それ見て確信したんだ。コイツの仕業だって。」




冷めた口調で淡々と話す彼女の横顔に表情はなかった。

予想はしていたが、何とも腹立たしい。

この年頃にはよくありがちなトラブルの1つだが、“無視”というのは最も卑劣ないじめだ。






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