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【年上の男】 R18 ※加筆&修正中

第4章 種


◇◆◇



「何これ?」

「“ホッキ貝”のお寿司をモチーフにしたキャラクターらしいよ。」

「…これって可愛いの?」

「可愛いかどうかは分からないけど、流行ってるみたい。」

「…へぇ、北海道の人って変わってる。」



放課後の屋上、彼女は私がお土産に買ってきた“ゆるキャラ”のキーホルダーを不気味そうに見つめている。

小松加奈。

愛美先生からの指摘によりタバコを止めた私達は、こうして缶コーヒーを片手に屋上での一時を過ごすようになっていた。



それは短い冬休みが終わった今も変わらず、寒い屋上で白い息を吐きながら他愛のない会話をする。

いつの間にか、彼女と過ごす時間は生活の一部となってしまった。



それは彼女にとっても同じだろう。

とくに話す事もないのに、こうしてほとんど毎日屋上へやって来る。

“ただタバコが吸いたかった”

もう、それだけの理由ではないはずだ。






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