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【年上の男】 R18 ※加筆&修正中

第4章 種


店の中へは入らずに、もと来た道を引き返す。

母の恋人とは未だ面識は無い。

それどころか、母は恋人がいる事を打ち明けてはくれない。

私が傷付くとでも思っているのだろうか。

“言う必要が無いから言わない”のかもしれないが、それはそれで傷付く。



正直、私が家を出さえすれば直ぐにでも再婚すると思っていた。

再婚とまではいかなくても、一緒に暮らす位はするだろうと思っていた。

しかし、母は今も一人のままだ。

家にも男が出入りしているような形跡はない。



私がいるせいで…母はいつまで経っても自由になれないのだろうか。

そんな事すら考えてしまう。

函館と東京。

ここまで物理的な距離をとってみても、母からすれば私はたった一人の娘であり、たった一つの“悩みの種”なのだろう。






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