• テキストサイズ

【年上の男】 R18 ※加筆&修正中

第4章 種


それが母の恋人である事を知ったのは、私が高校1年生の時だった。

コンビニのアルバイトを終え、喫茶店へと母を迎えにやって来た日の事だ。

その日はちょうど母の誕生日。

母には「9時にバイトが終わる」とだけ伝えていた。

ほんのサプライズのつもりだった。

喫茶店が閉店する午後8時。

プレゼントに買った白いブラウスを抱え、喫茶店へと向かった。



閉店後の喫茶店の前には一台の車が止まっていた。

運転席にいたのは見知らぬ男。

薄暗い店内から現れた母は、そのまま車の助手席へと乗り込んだ。

嬉しそうな母の顔を見て、その男に特別な感情があるのだとすぐに理解できた。



ショックなどではなかった。

…ほんの少しの焼きもち。



その日、私のアルバイトが終わる時間に合わせ、母は帰宅した。

たった1時間のデート。

私がいなければ、一晩を共に過ごす事も出来たであろう。

私がいなければ…。

初めて感じた母に対する後ろめたさを胸に抱き、私はプレゼントである白いブラウスを手渡した。







/ 768ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp