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【年上の男】 R18 ※加筆&修正中

第4章 種


母が喫茶店を開いたのは、私が中学校へ入学した年だった。

それまでの母は、昼間は保険の外交員、夜はスナックのホステスとして働いていた。

そのため、私はよく近所に住む祖父母の家に預けられていた。

しかし、そこは私にとってあまり居心地の良い場所ではなく、小学校へ上がる頃にはおのずと足も遠のいていった。



親しい友達などいなかった私は、学校が終わるといつも家で一人、母の帰りを待っていた。

テレビのない静かな部屋で一人、する事もなくただ勉強に明け暮れるだけの日々。

寂しいと思った事はない。



あの頃の私には母しかいなかった。

母が私の世界の全てだった。

母を困らせたくない。

母の悲しむ姿など見たくない。

私は母の望む人生を歩まなければ…。



その考えは今も変わっていない。






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