第1章 オレの家に来るって
そうこうしている間に、映画は終わりを告げた。
スタッフロールを見ながら桃浜は
「この監督らしい内容だったね。悪く言えば前作と変わらないってことだけど…。でもポイントを抑えた話作りはやっぱり凄いよ」
などと感想を語る。
オレはというと映画の内容は全く頭に入っていないので、そうかそうかと相槌を打つ。
「桃浜はしっかり話を分析できて凄いな、えらいな」
「…その言い方、バカにされてるみたいに聞こえるんだけどなあ?」
桃浜はニコリと笑いながらも眉間にシワを寄せた。あれ、ちょっと怒らせたかな?でも、そんな顔も可愛すぎる。
オレが「バカになんかしてないさ」と言うと、今度は目を細めてフフッと笑った。ああ、クルクルと表情を変えるその感じが、また堪らなく愛おしい…。