第8章 美しい人
手、離してくれないかな…
三日月さんが繋いでくれたから、
ちょっと勿体ないけど
私からそっと手を離した。
『女の人達に囲まれて、困ってたのに…
助けてあげられなくてごめんね。』
「いや、それは大丈夫だ。
して主よ、まねーじゃーとは何だ?」
あ、名前…もう呼んでくれないんだ。
二人きりだから、主呼びでいいんだけど
ちょっとだけ、寂しいな。
『マネージャーっていうのは、みんなを裏で支える人のことかな!』
悔しいけど、
あの女の人に言われたこと合ってるかも…
あぁ、なんかまた悲しくなってきた。
「そうか…主よ、疲れたのではないか?
本丸に帰らぬか?」
どうしたんだろ?
三日月さんから帰ろうって言うなんて…
三日月さん、現世で色々やりたいって
何故か張り切ってたのに。
それになんだか、元気がないような気がする。
三日月さんも疲れちゃったのかな?
それなら、帰ったほうがいいよね。
『そうだね…そろそろ帰ろうか。』