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審神者はあまいものがほしい。【刀剣乱舞】

第12章 第8章 美しい人の三日月sideです




…………


現世へ赴いた後、
主とはなんとなく距離をおいてしまっていた。


主に嫌われたかもしれない。


だが、俺では主を笑顔にできないのだ…
鶴丸は上手くやっていた。


他の男士がうらやましい。


そんなことを考えて廊下を歩いていたら、
小狐丸が主を抱き締めているのが視界に入った。


「小狐丸。何をしているのだ。」

いてもたってもいられず、
気がつけば主の肩を掴み抱き寄せていた。


『え、三日月さん…?』


主の驚いた顔に、涙に、声に
すべてに愛おしい気持ちでいっぱいになる。


「見ての通り、
ぬしさまを口説いていたところです。」


俺では笑顔にできないかもしれない。
だが、他のものにとられるのはいい気分ではないな。


「そうか、では出遅れてしまったか。
主、俺も主が好きだ。
他の者のところへなど、行かないでくれ。」


『私も…三日月さんのこと、好きです。』


主の口から告げられた好きという言葉が、
こんなにも嬉しいものとは。


存外、悪くはないな。


主の涙を拭い、
優しく強く抱きしめた。 


ふと、抱き締めていた力が緩む。


『わっ』

「ぬしさま、私のことはどうなのですか?」


小狐丸め…


『うん…?
小狐丸のこと、好きだよ?』

「俺の邪魔をするというのか、小狐丸よ。」

「はて、なんのことですか…?」


この後、
小狐丸との言い合いは終わらなかったが
主は始終、笑顔であった。


主よ、

次こそはでーととやらを
このじじいに教えてくれ。

なんてな。

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