第7章 花火大会
あれ、私…鶴さん怒らせた?
えっと、つまり…
鶴丸も手を繋ぎたいって、
私と同じように思ってくれたってこと?
同じことを考えていたことが嬉しい。
鶴丸に声をかけようと思って前を向いたけど、
鶴丸はどこにもいなかった。
あ、やばい…はぐれた…
周りを見てもいなくて、
不安から目がじわっと熱くなる。
『鶴さん、どこ…?』
人が多くて、見つけれる気がしない。
周辺を歩いて探してみるけれど、
真っ白な彼はどこにもいない。
そっと路地裏に入ると、しゃがみ込んだ。
慣れない下駄で足が痛い。
ふと、鶴丸がとってくれた金魚が目に入る。
綺麗な紅色が艶やかで、美しい。
楽しかったな。
鶴丸は、いつも笑顔で一緒にいると楽しい。
あの笑顔がすごく好き。
鶴さんとはぐれたままになったらどうしよう。
もうあの笑顔見れなかったら…?
『うわぁぁあああん。鶴さんんんん』