• テキストサイズ

*トライアングル*【R18】

第9章 酒は飲んでも呑まれるな





俺の名前を呼びながら達した桜子さんは、力の抜けた体をこちらに預けてきた。
汗でしっとりした体を優しく抱き締める。
その呼吸が整ったのを見計らって、俺は彼女を体ごとこちらへ向かせた。


「…っ」

照れ臭そうに俯く彼女が可愛くて、つい笑みを零してしまう。
その額に触れるだけのキスをすると、彼女はどこか気まずそうな顔をした。


「…桜子さん?どうかしましたか?」

「……、」

「あっ…もしかして気分が悪いとか…」

酔っている状態で少し無理をさせてしまったかもしれない。
けれど彼女は緩く首を横に振る。


「その……さっきから皐月くんのが…、」

「…?」

一瞬何の事だか解らなかったが、彼女の視線の先にあるものを見てようやく理解した。
…俺の勃ち上がったモノだ。
まだ触れられてもいないのに、布越しでもハッキリ分かるくらい主張している。


「すみません…桜子さんの可愛い姿見てたら我慢出来なくて…」

「っ…」

「あぁでも、俺の事は気にしなくていいですから」

正直このままなのは辛いが、酔っている彼女を抱く訳にもいかない。
何より彼女との初めてをこんな形で迎えるのは気が引けるし…


「俺は桜子さんが気持ち良くなってくれればそれでいいんです」

「で、でも…」

それでも桜子さんは納得していないようで。
怖ず怖ずとこちらを見上げてくる。


「その…、この間も私だけ……」

「………」

"この間"というのは勿論、俺の誕生日にホテルに泊まった時の事だろう。
あの時だって迫ったのは俺自身なのだから、桜子さんが気にする事なんて何もないのに…

そう言おうとした瞬間、彼女の口から信じられない言葉が飛び出してきた。


「…私で良ければ……、しようか?」

「………」

一瞬聞き間違えたかと耳を疑う。
まさか彼女の方からそんな事を申し出てくれるなんて…


「っ…」

俺はゴクリと喉を鳴らした。
予想もしていなかっただけに、たったそれだけの言葉で俺の下半身は期待に熱くなる。


「桜子さん……ホントにいいんですか?」

「……、手…でもいい?」

そんな事答えるまでもない。
桜子さんに触れてもらえると思うだけで、俺は天にも昇るような気持ちだった。



.
/ 248ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp