第8章 越えた一線
余裕綽々にそんな事を言ってくるリアンくんが憎らしい。
私はいつものお返しにと、すぐ目の前にある彼の耳にチュッとキスをした。
「ッ…」
ぴくりと反応する彼。
それに気を良くした私は、調子に乗って舌を這わせる。
耳の縁をなぞり音を立ててしゃぶれば、「んっ…」と彼が熱い吐息を漏らして…
(リアンくんも耳弱いんだ…)
何だかちょっと嬉しい。
いつもは私がされてばかりだから、今日こそは仕返しを…
けれどそう思ったのは一瞬だった。
「アンタさ…そんな事していいの?」
「…え……?」
「俺の事そんなに煽って…どうなっても知らねーよ?」
「ぁっ…!」
ズンッと一度だけ奥を突き上げられる。
私の中に入っている彼のモノは、先程よりどう考えても大きくなっていて…
「それとも…わざと俺の事煽ってるとか?」
「ち、違っ…」
「…だったら期待に応えねーとな」
「ゃぁっ…!」
そう言われた直後、下からズンズンとテンポ良く突き上げられた。
さっきとは違い自分の体重が掛かるせいで、彼のモノが容易に奥まで届いてしまう。
それが堪らなく気持ち良くて…
(こんな気持ちイイH……私、知らない……)
「ぁっ、ぁっ…リアンくっ…」
「はぁっ…、耳元でそんな可愛い声出されたら…ッ…ヤバいって…」
「ぁんっ…ぁっ…!」
腰の動きを緩めた彼は、少しだけ私の体を離しキスを求めてくる。
舌が絡み合う度、きゅうっと疼く秘部。
お互い貪るように口付けを交わし、気付けば私自身も腰を揺らしていた。
「…自分から腰振って……エッロ…」
「っ…、だって…」
「エロいアンタも最高に可愛くて好き…」
「ぁっ…!」
今度は反対に私の方が耳を愛撫される。
もう何も考えられない…
「桜子ッ…」
「…!」
その時初めて呼ばれた名前…
吐息混じりの甘い声でそう呼ばれた瞬間、私は頭を真っ白にさせ達してしまった。
「んッ…」
直後彼も果てたのか、小さく声を漏らし私をきつく抱き締めてくる。
…私の意識があったのはそこまでで。
急な脱力感と倦怠感に襲われ、そのまま意識を手放してしまった。
彼の体温と鼓動をその身に感じながら…
.