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*トライアングル*【R18】

第8章 越えた一線





「…ん……」

枕元に置いてあった携帯のアラーム音で目が覚める。
窓の外はすっかり明るくなっていて…

(もう朝か…)

気怠い体を起こすと、自分が何も身に付けていない事に気付いた。


「…!」

(そうだ…昨日私は……)

そこでようやく昨夜の事を思い出す。
リアンくんと体を重ねてしまった事を…


「…あれ……?」

けれど彼の姿はどこにも無い。
ひょっとしてもう帰ってしまったのだろうか…

上着を羽織り、痛む腰を庇いながらベッドを下りる。
するとテーブルの上に置き手紙がある事に気付いた。
綺麗な文字で書かれた手紙…リアンくんからだ。




おはよう。
ホントはアンタが起きるまで一緒にいたかったけど、親父にバレたら面倒だし、明るくなる前に帰る。
またしばらく会いに行けないけど、必ず連絡するから待っててほしい。

それじゃまた。

P.S.
昨日のアンタ、可愛くて最高だった。
次会った時は覚悟しといて。




「…リアンくん……」

その文面から彼の気持ちが伝わってくる。

私は彼とどうなりたいんだろう…
出会ったばかりの頃…彼に『俺を恋人にしてほしい』と言われたが、私はまだその返事をしていない。
昨日はあんなに激しく求め合ってしまったけれど…

(正直まだ揺れてる…)

彼に惹かれているのは認めるが、彼の家の事とか将来の事を冷静に考えると、今すぐ答えを出す事は出来ない。

(ハァ…私ってダメな女)

リアンくんはそれを含め、色々考えた上で私を好きだと言ってくれているのに…





その夜仕事を終えて家に帰ると、二階堂さんから電話があった。
『相沢様にお願いして正解でした。今後ともリアン様をどうか宜しくお願い致します』と…

昨日まで荒れていた彼も吹っ切れたのか、普段の調子に戻ったらしい。
それはそれで良かったのだけれど…

『肌艶も良く、いつも以上に輝かれておりました…これも相沢様のお陰ですね』

そんな事を言われ、私はただ赤面するしかなかった…

(絶対バレてる…!)



*


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