第8章 越えた一線
「んっ…、アンタさ…それわざとやってる…?」
唇を離したリアンくんが咎めるようにそう言ってくる。
何の事だか解らずにいると、「無意識とかタチわりー…」と呟かれた。
「さっきから俺の事ぎゅうぎゅう締め付けて…。せっかく我慢してたのに、もう限界…ッ…」
「ぁっ…」
緩く腰を動かし始める彼。
突然与えられた刺激に思わず声を漏らしてしまう。
「ゃっ、あん…っ…待って…」
「…だからもう待てねーって」
「んっ、んぁっ…」
初めは浅く腰を動かしていた彼も徐々に大胆になっていき、ギリギリまで腰を引いてはまた奥まで打ち付けるという動きに変えてくる。
私は彼の背中にしがみつき、次々と押し寄せてくる快楽の波に耐えるので精一杯だった。
「ぁっ、あんっ…リアンくんっ…!」
「はぁっ…、やばい……すぐイきそ…ッ」
そう言う彼の顔にも余裕の色は見えない。
いつも飄々としている彼が、汗を滲ませ眉間に皺を寄せ熱い吐息を漏らして感じている…
そう思うと嬉しくもあり、私の興奮も更に高まってきた。
「アンタのイイとこ…ココだったよな…っ…」
「あぁっ…!」
さっき探り当てられた場所を彼のモノで擦られる。
その瞬間目の前が真っ白になり、あられもない声を上げてしまった。
「だ、め…っ……そこ…!」
「…アンタの乱れるとこ…ッ…、もっと見せて?」
「ゃぁっ…!」
腰の動きを緩めた彼だったが、今度はソコばかりを的確に攻めてくる。
秘部からは恥ずかしいくらい愛液が溢れ、繋がったソコからぐちゅぐちゅと卑猥な音が聞こえた。
(…もうイっちゃいそう…っ…)
そう思った瞬間、不意に彼の動きが止まる。
「…まだイかせない」と意地悪く囁いた彼は、そのまま耳を愛撫してきた。
「ぁっ…、リアンくっ……」
突然刺激を失った下腹部がきゅうっと切なく疼く。
彼はそれに気付いているはずなのに、わざと焦らして動いてくれない。
私は懇願するように彼の顔を見上げた。
「…その顔堪んない」
「……、」
「…もっと俺の事求めてよ」
「っ…」
…彼は本当に意地悪だ。
(これ以上私にどうしろって言うの…)
私は恥も外聞も捨てて彼の顔を引き寄せ、その耳元で甘く囁いた。
「お願い…もっとリアンくんを感じさせて?」
.