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*トライアングル*【R18】

第6章 春の嵐





「さっきはプレゼントなんかいらないって言いましたけど……1つだけ俺のワガママ聞いてもらってもいいですか?」

「…え……?」

「今日一日が終わるまで……俺を桜子さんの恋人にして下さい」

「っ…」

真剣な顔で皐月くんがそう言ってきた。
私はすぐに答える事が出来ず、言葉を詰まらせて俯く。


「…桜子さんに彼氏がいるのは承知です。絶対に無茶な事は言いませんから」

「……、」

一瞬何の事だか解らなかったが、『彼氏』とは恐らくリアンくんの事だろう。
そう言えば勘違いされたまま、タイミングを逃して訂正するのを忘れていた。


「あの、皐月くん……前から言おうと思ってたんだけど…」

「…?」

「リアンくんは……彼氏じゃないの」

「え…?」

「ごめん……なかなか言うタイミングが無くて…」

彼の話題も出てないのに、突然そんな話をするのもおかしいし…

皐月くんは少しの間驚いたような顔をしていたが、その表情が急にパァッと明るくなった。


「それ…本当ですか?」

「う、うん…」

そう答えれば、一度放された体をまた抱き締められる。
さっきよりぎゅっと力強く…


「良かった…。じゃあ、俺にもまだ望みはあるって事ですよね」

「え…?」

「元々諦めるつもりなんてありませんでしたけど…これからは遠慮しません」

「……、」

(それってどういう意味…)

そう思った時には皐月くんにお姫様抱っこをされ、すぐ傍にあったベッドの上に下ろされていた。


「ちょっ…、皐月くっ…」

「今日は俺…桜子さんの彼氏ですから」

「っ…」

そう目を細めて彼は私を見下ろす。
その表情に思わず胸がときめいてしまった。
このまま流されてはいけないと心のどこかでは思っているのに、体が言う事を聞かない。


「桜子さん……好きです」

「…!」

彼の顔がゆっくり近付いてくる。
「待って」と抵抗した両腕は、あっさりシーツに縫い付けられてしまった。


「ごめんなさい……今日は待てません」

「んっ…」

彼の熱い唇が私のものに触れる。
初めは優しかったその行為も、徐々に力強く押し付けるような触れ方に変わり、終いにはぬるりと舌が入ってきた。



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