• テキストサイズ

*トライアングル*【R18】

第4章 まるで飼い主とペット





「桜子さんの唇……すごく柔らかい」

「…んっ……」

そう囁いた後、皐月くんは再び唇を重ねてくる。
今度はすぐに離さず、私の唇を舐めたり甘噛みしたり…
そのうちに彼の熱い舌が入り込んできて、口内の奥深くまで侵してきた。


「ふっ、ん…」

触れ合った舌同士が時折厭らしい水音を立てる。
息つく間もなく深いキスをされ、私はズルズルとその場に座り込んでしまった。


「はぁっ…」

ようやく解放された時には体に力が入らなくて…
濡れた唇を手の甲で拭いながら呼吸を整えていると、私と目線の高さを合わせた彼がぎゅっと抱き締めてきた。


「俺…桜子さんに彼氏がいても構いません」

「…え……?」

「2番目でもいいから……俺の事好きになってほしいです」

「っ…」

「ダメ……ですか?」

少しだけ体を離した彼がこちらの顔を覗き込んでくる。
まるで捨てられた子犬のような目で…


(そんな顔するなんて反則…)


「困らせてすみません…。でもこれは俺のワガママだって解ってますから……桜子さんが後ろめたく思う必要は無いんです」

「……、」

い……いやいやおかしい!絶対おかしい!


「ちょ、ちょっと待って皐月くん」

「…はい」

「一旦落ち着こう?」

実際落ち着きたいのは自分自身なのだけれど…


「そんな簡単に2番でもいいとか、言っちゃダメだよ…」

「でも…桜子さんに彼氏がいるなら仕方ありませんから」

「だからって…」

(…というかリアンくんは彼氏じゃないんだけどな……)


そう訂正しようとするより早く彼が口を挟んできた。


「俺…桜子さんの事、諦められそうにないから……」

「…皐月くん……」

さっきと同じように、縋るような視線を向けてくる。
子犬というよりは、むしろ超大型犬だけど…



「…少し…考えさせてくれない?」

返事を先延ばしにするのは良くない事だと解ってはいたが、今すぐ答えを出す事も出来ない。
彼の真剣な気持ちをちゃんと受け止めたいから…


「はい、勿論です!俺…いつまででも待ってますから」

「……、」

そう嬉しそうに笑う彼の背後に尻尾が見えたのは、きっと気のせいじゃないはずだ…



.
/ 248ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp