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*トライアングル*【R18】

第4章 まるで飼い主とペット





「いきなりこんな事言われても困りますよね……すみません」

「……、」

「でも俺本気だから…ちゃんと言っておきたくて」

「皐月くん……」

「返事は今すぐじゃなくてもいいんで……良かったら考えておいて下さい」

そう言って彼は料理に戻る。
私もすぐに包丁を持ち直したが、その後は終始上の空だった…





「2人とも今日はありがとう」

みんなで夕飯を食べ終えた後…
私と皐月くんはそろそろ帰ろうと古林さんに挨拶をしていた。


「相沢さんも、良ければまた来て下さい。子供たちもすっかりあなたに懐いてしまったようで…きっと喜びますから」

「はい、是非またお邪魔させて頂きます」

「それじゃあ古林さん、また来るね」

「ああ。何か困った事があったら、いつでも相談に来ていいからな」

「うん、ありがとう」


そう別れの挨拶をして私たちは施設を去った。
先程の事もあり、皐月くんと2人で並んで歩くのは何となく気まずい。


「桜子さん…ホントにすみません。いきなりあんな事を言ってしまって……。やっぱり迷惑でしたか?」

「えっ…ち、違うの…!迷惑とかじゃなくて…その…いきなりだったからびっくりしちゃって…」

それは本当だ。
彼のようなイイ子に好意を持たれて嬉しくない訳がない。
ただ、彼の事をそういう目で見た事がなかったから…


「あの…俺がこんな事言うのは何なんですけど…。桜子さんと気まずくなるのは嫌なんで……出来れば今まで通り普通に接してくれませんか?」

「……、」

それは私も同じ気持ちだ。
短時間とは言え、彼とはお店でほぼ毎日顔を合わせる訳だし…

私はこくりと頷いた。
それを見てホッとしたのか、さっきまで表情の硬かった彼にもようやく笑みが零れる。

その後私たちは、他愛のない話をしながら帰路に着いた…










それからまた数日後…


「…よぉ。久しぶり」

「………」

店に現れたのはリアンくんだった。
ストーカーの件が解決してからはほとんど会っていなかったので、彼の言う通りこうして顔を合わせるのは久しぶりだ。


「大学の帰り?」

「ああ。最近ちょっと立て込んでたから…アンタに会えなくて淋しかった」

「……、」

相変わらずストレートにものを言う子だ。



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