第23章 甘え上手な恋人
「…悪い……1人でイった」
「……、」
私に覆い被さったまま、バツの悪そうな声でそう呟くリアンくん。
改めて彼の背中を抱き締めると、その体はやはり前より細くなっている。
「リアンくん…ホントに痩せたね」
「…アンタ不足」
「もぅ、またそんな事言って…。ねぇ…一旦ご飯にしない?夕飯作っておいたんだけど…」
「…まだ全然アンタの事抱き足りない」
「っ…」
「アンタだってまだイってねぇだろ?」
「んっ…、」
私の中から一度出ていった彼が、起き上がって再度避妊具を付け替える。
そして今度は自分の膝の上に跨がるよう促してきた。
「…ゆっくり腰下ろして」
「……、」
さっきイったばかりの彼はもう復活している。
私は最初の圧迫感をやり過ごし、再び彼のモノを飲み込んでいった。
「…今度はゆっくりするから」
「ん…っ、」
やんわり顔を引き寄せられ、今日何度目かの深いキス。
さっきより気分が高揚しているせいか、自分からも積極的に舌を絡ませる。
口内をぬるぬる擦られる感覚が妙に厭らしく思えた。
「はぁ…っ、」
「…アンタのエロい顔久々に見れてすげー興奮する」
「っ、ばか!」
「いてっ…」
自分がどんな顔をしているかなんて分からなかったが、面と向かってそう言われれば当然恥ずかしい。
目の前の胸をトンッと軽く叩くと、彼は痛いと言いながらもクスリと笑った。
「…アンタの中あったかい」
「……、」
「ずっとこうしてられればいいのにな」
「…リアンくん……」
呟かれた言葉に胸が締め付けられる。
『私もずっとこうしてたい…』
そう返せればいいのに…
(今の私にそんな事を言う資格なんて無いから…)
「…んな顔すんなよ」
「……、」
戸惑っている私を見て苦笑いした彼が両頬に手を添えてくる。
そしてそのままむにっと頬を摘まんできた。
「にゃにするのっ…」
「ははっ、おもしれー顔」
「………」
Hの最中とは思えないやり取り。
さっきまでの厭らしいムードはどこへやら…
そう思っていると、リアンくんが不意に真面目な顔をする。
「いつも言ってるだろ…俺といる時は余計な事考えんなって」
「…リアンくん……」
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