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*トライアングル*【R18】

第22章 ゆく年くる年





告げられた言葉に思わず赤面する。
そうこうしているうちにちょうど日付が変わったようだ。


『…Happy new year』

「リアンくん…」

『今年もよろしく』

「うん…こちらこそ」

私の言葉にフッと息を漏らすと、彼は『じゃあまた』と言って電話を切った。

(リアンくん…ありがとう)





「ご、ごめんね…話の途中で…」

スマホをコートのポケットに仕舞い、皐月くんの方へ向き直る。
さっき何か言い掛けてたし、絶対気を悪くしたよね…?
そう思っていたけれど。


「いえ、気にしないで下さい」

「……、」

「初詣が終わったら…桜子さんの事たっぷり独占させてもらいますから」

「…え……」

「ほら、俺たちの番ですよ。早くお参りして帰りましょう?」

「わっ…」

皐月くんに腕を引かれ、お賽銭箱の前へ連れて行かれる。
私は慌ててお財布を取り出しそこへ小銭を入れた。

(…今年もリアンくんと皐月くんと一緒にいられますように……)

こんな狡いお願い事をする私を神様はどう思っているんだろう…?
でもやっぱり、私にはどちらか1人を選ぶ事なんて出来ない…










「ぁっ…、皐月くん待って…」

「…待てません」

初詣を終えて帰宅すると、玄関先にも関わらず彼にぎゅっと抱き締められた。
それからあっという間にコートを脱がされキスをされる。


「…言ったでしょう?帰ったら桜子さんを独占させてもらうって」

「っ…」

「まずは一緒に…お風呂でも入りましょうか?」

「……、」





ザァーッとシャワーのお湯の流れる音がバスルームに響く。
皐月くんと一緒にお風呂に入るのはこれが初めてではないが、それでも恥ずかしさは拭えない。


「さ、皐月くん…私自分で洗えるから……」

「ダメです、俺にやらせて下さい」

ニッコリ笑う彼の手にはボディースポンジ。
どうやらそれを手離す気は無いらしい。


「まずは背中から洗いますね」

「……、」

彼に背を向け渋々その膝の上に座る。
背中を滑るスポンジ…人に洗われるのは何だか擽ったい。


「桜子さんの背中…いつ見ても綺麗ですね」

「そ、そんなに見ないで…恥ずかしい…」



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