第21章 聖なる夜に
「それじゃあ桜子さん…入れますね」
「……、うん…」
自分のモノにゴムを着けた皐月が彼女にそう声を掛ける。
その様子を俺が見ているせいか、彼女はいつもより緊張した面持ちだった。
「…痛かったら言って下さい」
「ぁっ…」
彼女の両脚を抱えた皐月が、正常位の状態で腰を進める。
…不思議な気分だった。
当然"嫉妬"の念に駆られるがそれだけじゃない。
いつも俺に組み敷かれている彼女が今から別の男のモノを咥え込むのだと思うと、少なからず興奮している自分がいて…
「もう少し…力抜けますか?」
「ん…っ…」
いつもと違い過ぎるシチュエーションに彼女の体は強張っているらしい。
俺はすぐ傍まで移動し、その柔らかい髪の毛を優しく撫でた。
「っ…、リアンくん…?」
「緊張してたら気持ち良くなるもんも気持ち良くなんねーから…もっと力抜いて」
「……、」
彼女の感じる顔が見たい……例えそれが他の男に与えられる快楽だったとしても。
髪を撫でていた手を彼女の頬に移動させる。
そして色っぽく濡れているその唇に自分のものを重ねた。
「ん…、」
ゆっくり舌を絡ませれば、条件反射のように彼女も応えてくれる。
ようやく力が抜けたのか、その隙を見て皐月が奥まで自分のモノを突き入れた。
「ぁっ…!」
「はぁっ…、桜子さんの中…いつもより熱くてキツいです…」
少し呼吸を乱しながらそう言う皐月。
彼女の反応を見ながら、ゆっくり腰を動かし始める。
「ぁっ、ん…っ…」
「…っ…、痛くないですか?」
「んっ…、平気…っ」
そんな2人のやり取りを見ながら、すでに瞳をとろんとさせている彼女の胸に手を伸ばした。
途端皐月が「んっ…」と低い声を出す。
胸への愛撫に感じた彼女が中を締め付けてきたのだろう。
「ちょっ…、リアンさん…」
「…何だよ」
「俺たちのセックスの邪魔しないで下さい」
「ハッ、すぐイっちまいそうだから?さっきの威勢はどうしたんだよ…俺よりこの人の事満足させてやれるんじゃなかったのか?」
「………」
精一杯の嫌味を言ってやれば、じろりと皐月に睨まれた。
けれどそれと同時に闘争心にも火が点いたのか、皐月の彼女を攻めるスピードが上がり始める。
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