第21章 聖なる夜に
「ほ、ほら…そろそろケーキ食べよっか!今、お皿とフォーク用意するから!」
妙な空気を打ち破るべく、私はわざと明るい声でそう言った。
そして3人分の食器を持ってこようと腰を浮かせば…
「つーか…デザートならここにあんだろ?」
「…え……?」
「ケーキより…桜子さんの方が甘くて美味しいですよ?」
「っ…」
私をその場に留めるように、右腕はリアンくん…左腕は皐月くんが掴んでくる。
そしてその両手にそれぞれ彼らがキスをしてきた。
「ちょっ…」
「…今日はクリスマスイブだろ?恋人だったらセックスするのがセオリーじゃね?」
「なっ…」
「俺も…もう我慢出来そうにないです」
「っ…!」
彼らは一体何を言っているのだろう…
だって今日は3人でパーティーをするだけだって…
「ひゃっ…」
戸惑っている私の太腿を厭らしく撫でてくるリアンくん。
突然の事に思わず妙な声を出してしまった。
「リ、リアンくん…!」
「このカッコ…マジエロ」
「ちょっ…、何して…っ…」
「見慣れてるつもりだったけど…こうやって短いスカートから覗く太腿ってエロいよな」
「ゃっ…」
「桜子さんの真っ白な太腿…柔らかくてすごく美味しそうです」
「さ、皐月くんまで…っ…」
両隣から左右の太腿を撫でられ、徐々に変な気分になってくる。
止めさせようと2人の腕を掴んだが、反対にその腕を取られてしまって…
「すっげー不本意だけど……俺とコイツ…今日は最初から2人でアンタを抱くって決めてたから」
「…え……?」
「桜子さんが戸惑う気持ちはよく解ります……でも俺たち我慢出来なくて…」
「っ…」
潤んだ瞳…上気した頬…それはアルコールのせいなんかじゃない。
彼らは本気で私を…?
「ま、待って…そんな事…っ…!」
「悪いけどもう待てない」
「桜子さん…今日は俺たち2人に愛されて下さい」
「ぁっ…、」
皐月くんに左耳を舐められた。
直後、右耳はリアンくんに愛撫されて…
(嘘……こんなのって…)
抵抗したいのにまともな思考能力を奪われていく。
3人でなんて、そんな事本来許されないはずなのに…
「…余計な事考えんなよ」
「っ…」
「桜子さんはただ、俺たちを感じてくれればいいですから…」
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