第21章 聖なる夜に
(うぅ…やっぱりお尻がスースーする……)
クリスマスイブ当日。
私はパーティーの為の料理を作った後、シャワーを浴び自室で着替えているところだった。
悩んだ末例のコスチュームを着る事にはしたが、下着はどうしようかとさっきからずっと唸っているところだ。
(でも…例え私がこんなエッチな下着を穿いてたって、別にワンピースを脱がなきゃ分からない訳だし…)
今日は彼らと3人でパーティーを楽しむだけ…だったらせっかく美鈴から貰った物だ…身に着けていても問題は無いだろう。
そう思い、結局私は彼女から貰った物を一式身に着ける事にした。
「い、いらっしゃい…」
約束していた午後5時。
リアンくんと皐月くんは2人揃って私の家へやって来た。
その手にはそれぞれシャンパンとケーキの入った袋が提げられている。
「っ…、桜子さん……そのカッコ…」
「へ、変かな…?」
「そんな事ありません!すっごく可愛いです…まるで天使みたいで」
「っ…」
私のサンタコスチュームに素早く反応したのは皐月くん。
褒めてくれるのは嬉しいけど、そんな歯の浮くような台詞を言われると恥ずかし過ぎて消えたくなる…
「へぇ…何だかんだで俺の希望聞いてくれたんだ?」
「こ、これは違うの!ちょうど友達から貰ったから…」
「はいはい、そんな短いスカート穿いて反論したって全然説得力ねーから」
「ちょっ…」
そんな事を言いながら私のお尻の辺りを撫でてくるリアンくん。
会ってすぐの挨拶がそれ!?
「リアンさん…シャンパンボトルで頭かち割られたくなかったらその辺にしておいて下さいね」
「チッ…」
「……、」
これから3人仲良くパーティーをするというのに何だか先行きが不安だ…
それから私たちはシャンパンを開けて乾杯をし(今日だけは特別に皐月くんの飲酒も1杯だけ許可した)、料理を食べながら他愛ない話をした。
そうしてある程度料理を平らげた時…
「そうだ…私2人にクリスマスプレゼント用意したの」
そう言って、ソファーの影に隠しておいたプレゼントを2人に差し出す。
リアンくんにはブランドもののネクタイ。
彼も二十歳になって大人の仲間入りをした訳だし、これからスーツを着る機会も増えていくだろうと思ったから。
.