第19章 温泉旅行
(…イく…ッ…、)
あまりの気持ち良さに、俺は彼女の口内へドクドクと欲を吐き出してしまった。
すぐに口から出すよう促したが、それと同時に彼女の喉が上下する。
「っ…、おい…もしかして飲んだ…?」
「う、うん…」
「バカ…そんなもん飲むなよ…」
「…平気……リアンくんのだから…」
「ッ…」
口元を拭い、赤い顔でそんな事を言う彼女。
元々無かったに等しい理性がガラガラと音を立てて崩れ去り、今欲を吐き出したばかりの自身がまた熱を持ち始めた。
「悪い…もう我慢出来ない」
「…え?」
独り言のように呟いた後彼女を抱き上げ、濡れた体も拭かずにベッドルームへ移動する。
「リ、リアンくん…?」
「…俺を煽ったアンタが悪いんだからな」
「ひゃっ…」
彼女をベッドに下ろし性急にその体を愛撫する。
そして俺は、自分の欲望をぶつけるように彼女を激しく抱いた…
*side 桜子*
「…ひどい」
時刻は午後6時。
日もすっかり暮れ、窓の外はもう真っ暗だった。
結局あの後、リアンくんと体を重ねてしまった私…。
一度ならず二度三度と抱かれ、夕飯を前にして体はすでにぐったりしている。
「…アンタのせい」
「なんでそうなるの…」
「…その無自覚なとこ、いい加減何とかすれば?」
「………」
(どうしていつも私が悪者になるんだろう…)
それから小一時間ベッドで過ごした後、旅館の人に夕食のセッティングをしてもらった。
テーブルに並べられた料理は想像通り豪華なもので、眺めるだけでも心が踊ってしまう。
「…乾杯」
晴れてリアンくんも二十歳になったという事でシャンパンを頂く。
流石というべきか、今まで飲んだシャンパンの中でも一番美味しい。
「アンタ酒強くねーんだろ?あんま飲み過ぎんなよ」
「わ、解ってるよ…」
「酔いつぶれてもらっちゃ困るからな…夜はまだまだ長いんだし」
「……、」
その意味深な発言につい反応すると、彼にクスリと笑われてしまった。
「…何想像してんのか当ててやろうか?」
「べ、別に何も…」
「その割には顔赤いけど?」
「お酒のせいです!」
「…あっそ」
そんな軽口を叩き合いながら箸を進める。
どれも見た目を裏切らず美味しいものばかりだ。
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