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*トライアングル*【R18】

第3章 恋は盲目、ストーカーは犯罪





「ちょっ…、リアンくっ……」

「…黙って」

「んっ…」

一度離された唇がもう一度触れ合う。
何度も角度を変えてキスをされる度、徐々に体から力が抜けていくのが分かった。
それを見計らったかのように、今度は彼の熱い舌が入り込んでくる。
驚いて抵抗してみたものの、力の入っていない腕では何の意味も無い。


「んっ……ぁ…、」

逃げ惑う舌を追い掛けられ、容赦なく絡め取られる。
本当にこの子は19歳なのかと疑ってしまう程巧みなキスだった。
静まり返った部屋に、時折くちゅりと響く水音が厭らしい。


「ふ……可愛い」

一度唇を離した彼がそう囁く。
その唇が私の耳元に触れた時、びくりと肩を竦ませてしまった。


「耳…弱いの?」

「ちがっ…」

「……嘘つき」

私の頬に手を触れた彼は片方の耳を指で擽り、もう片方の耳に舌を這わせてくる。

(これ以上はダメ…!)

彼には悪いと思ったが、私は包帯の巻かれたその指をぎゅっと握った。


「いって…!何すんだよ!」

「リアンくんが変な事してくるからでしょ!」

「…んだよ、アンタだって気持ち良さそうな顔してたくせに」

「してません!」

「チッ…せっかくイイムードだったのに…」

「………」

(危ない…もう少しで流されるところだった……)





「なぁ…ホントに1人で平気?」

玄関でリアンくんを見送る。
あんな事があった後だし、泊まっていくと申し出た彼だったが丁重にお断りした。


「リアンくんはストーカーより危険な存在かもしれないからね」

「…茶化すなよ。人が本気で心配してんのに」

「はいはい、ごめんなさい」

「…可愛くねーの」

そう悪態をついた彼だったが…すぐにその顔に意地の悪い笑みを浮かべる。


「まっ、アンタの弱点も分かったし、今日のところは大人しく帰ってやるよ」

「っ!」

フーッと耳元に息を吹き掛けられ、びくりと反応している私を見て彼は笑った。


「な、何するの!」

「俺の心配を無下にした罰」

「………」

「つか…マジで気をつけろよ」

「…解ってる。リアンくんこそ、帰り道気をつけてね」

「ああ……おやすみ」

「…!」

不意にまたキスをされる。
私が文句を言う前に、彼はこちらに背を向け階段を下りていった。



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