第18章 Trick or treat!
「そ、そう言えば…リアンくん、話って?」
2人に挟まれ、居たたまれなくなった私はそう切り出した。
何か急用でもあったのだろうか?
「今度の休み、ホントはアンタをデートに誘おうと思ったんだけど…妙なパーティに参加する事になったからな」
「…ぅ……そうだったんだ…。なんかごめん…」
「別に…アンタのせいじゃなくて、あの変な女のせいだろ」
「……、」
変な女って…可南子ちゃんの事…?
確かに、元はと言えば彼女が持ってきた話だけど…
「あの…2人ともホントにいいの?もし無理してるんだったら、パーティに参加するのは私だけでも…。可南子ちゃんには私から話しておくし」
「俺は別に構いませんよ。さっきも言ったけど…桜子さんの仮装姿見てみたいんで」
「……、」
「俺も、アンタがデートしてくれないなら日曜暇だしな。それに…クラブだか何だか知らねーけど、そんな怪しげなとこにアンタ1人行かせんの心配だし」
「リアンくん…」
さっきから色々偏見があるけど、きっと私の事を気に掛けてくれているのだろう……と思いたい。
「つーかさ…」
ふと、皐月くんの方へ視線を向けるリアンくん。
「お前…ちゃんと約束守ってんだろうな?」
「…当然です。リアンさんこそ、桜子さんに無茶な事してないでしょうね?」
突如2人の間に不穏な空気が漂い始める。
初めは何の事だか解らなかったが、その火の粉は私にまで降り掛かってきて…
「桜子さん…リアンさんに痛い事とかされてないですか?」
「…え……?」
「セックスの話です」
「っ…!」
ストレートにそんな事を言われ、思わず噎せてしまいそうになった。
皐月くん、何を言い出すの!?
「お前…俺にどんな印象持ってんだよ…。つか、お前の方こそ酷い事してねーだろうな?お前みたいな大人しそうな顔してるヤツが一番危ねーんだよ」
「失礼な人ですね。桜子さん…もしこの人に酷い事されたら、すぐ教えて下さいね?俺が思いっきり甘やかしてあげますから」
「い、いや…あの……」
「俺がそんな事する訳ねーだろ。まぁ…ちょっとくらいの意地悪ならするけどな。この人Mっ気あるから、その方が感じるみたいだし」
「ちょ、ちょっと…!」
さっきから聞いてれば、何なのこの会話!
絶対おかしい…!
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