第16章 ゲームとお仕置き
「リ、リアンくんっ…」
「…ホントに兄貴に何もされてない?」
「……、されてない…」
正確には別れ際キスをされてしまったが、あれはジョエルさんにとって挨拶のようなものだろう。
それでもリアンくんには言いづらい…
「…つか、すげー目泳いでるけど」
「っ…」
「怒らないから正直に言って」
「……、」
そう言って優しく頬を撫でてくる彼。
一瞬躊躇ったが、私は彼の言葉を信じ正直に打ち明ける事にした。
「…やっぱりされてんじゃん」
「ぅ…」
「…他には?」
「え…?」
「他にも何かされたんだろ?ホテルに連れ込まれて何も無い訳ねーし」
「そ、それは…」
リアンくんの表情が徐々に険しくなっていく。
さっきは怒らないって言ってたけど、やっぱり怒ってる…よね?
「…何された?」
「……、耳を……」
「耳を?」
「…その……な、舐められて…」
「……ふーん」
「で、でも…っ…ホントにそれだけだから!他には何も…」
「それだけされれば十分だろ?」
「っ…」
彼は険しい表情のまま私の両腕を掴んだ。
…かと思えば不敵に笑う。
「お仕置き…しねーとな?」
「…!」
「リアンくん、待っ…」
「耳…どんな風に舐められた?」
「んっ…」
私を責めるように耳元でそう囁く彼。
その吐息だけで体は反応してしまう。
「…兄貴にもその可愛い声聞かせたの?」
「そんな事っ…」
「…嘘つき。今だってこんなに感じてるくせに」
「ゃっ…」
今度は舌でねっとりと舐められた。
何度も厭らしく往復する舌。
そのうち耳の穴まで入り込んできたその感触に声を抑える事が出来ない。
「だ、め…っ……リアンくっ…」
「これはお仕置きだから…今日はアンタの言う事聞いてやんない」
「んっ…」
そう言って顔を移動させた彼は、首筋から鎖骨へと唇を滑らせていく。
そしてその腕を私の背中に回し、器用にワンピースのファスナーを下ろしてきた。
「ま、待って…」
「…待たねー」
「っ…」
今度は体を反転させられる。
背中のファスナーを完全に下ろされ、ホックを外された私はワンピースを脱がされて…
「…これも邪魔だな」
「ぁっ…」
着ていたキャミソールを捲られ、背中にキスを落とされた。
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