第16章 ゲームとお仕置き
(とりあえずリアンくんに電話はしておいた方がいいよね…)
アパートに着き、部屋までの階段を憂鬱な気分で上る。
すると部屋の前に人影がある事に気付いた。
「…リ……リアンくん…?」
「…!」
そこにいたのはやはり彼で。
私の声に反応した彼は、勢い良くこちらへ近付いてきた。
「兄貴に何された!?」
「いたっ…」
力強く肩を掴まれ思わず後退りする。
私は一旦彼を落ち着かせてから部屋の中へ入るよう促した。
「きゃっ…」
玄関のドアを閉めて振り返った瞬間、ぎゅっと私を抱き締めてくる彼。
こんなに心配を掛けていたのかと思うと、余計に罪悪感が募る。
「…リアンくん……ごめん」
「っ…、まさか兄貴に……」
「ち、違うよ!リアンくんが心配してるような事は何も無いから!…ただ…リアンくんに黙って彼と会った事は謝っておきたくて…。本当にごめんなさい」
「………」
私がそこまで言うと、彼は体の力を抜いて私の額に自分の額を触れ合わせてきた。
「…マジで反省してる?俺…死ぬ程心配したんだけど」
「うん…ごめん……リアンくん、怒ってるよね…?」
「ハァ……ちょっとだけな」
「…え……?」
意外だった…もっと怒られるかと思ってたのに…
「兄貴にはすげーキレてるけど…。アンタが兄貴の誘いを受けた理由は解ってるから」
「……、」
「けど…なんですぐ俺に言わなかった?」
「だって…リアンくんに話したら絶対止められると思って…。そしたら私たちの関係もお父さんにバラされて…もう会えなくなるかもって…」
「…バカ」
その言葉とは裏腹に、彼は触れるだけの優しいキスをしてくる。
「…親父にバレたらそん時はそん時だ。反対されたって俺はアンタを諦めるつもりは無い」
「リアンくん…」
「もしまた兄貴が何か言ってきたら、必ず俺に相談して……いい?」
「うん…」
私が頷くのを確認すると、彼が突然私の体を抱き上げてきた。
「っ…、リアンくん?」
「それはそうと…俺を心配させた罰は受けてもらわねーとな」
「え……」
「それに…ホントに兄貴に何もされてないか確認しねーと」
「っ…」
そう言った彼は部屋の奥へ進み、私の体をベッドに下ろす。
そして抵抗する隙も与えないまま、唇を重ねてきた。
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