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*トライアングル*【R18】

第16章 ゲームとお仕置き





「…ゲーム?」

兄貴の口から出た言葉に思わず顔を顰める。
一体何をしようと言うのだ。


『じきに彼女も目を覚ます。女性を無理矢理どうこうする趣味は無いが…もし彼女から了承を得たら、抱いてもいいだろ?』

「…は?彼女がそんな事了承する訳…」

『勿論そうだろう。でも健気な彼女の事だ…もし私の言う事を聞かなければ、父にお前たちの関係を話すと言ったら彼女はどうすると思う?』

「っ…」

『安心しろ。例え彼女が私を拒んだとしても父に告げ口するつもりはない…これはただのゲームだからな』

「ざけんな!何がゲームだ、そんな事俺が許さない!」

『別に私はお前に許しを乞おうなんて思っていない。精々彼女が馬鹿な選択をしないようそこで祈っているんだな』

「おい…!」

そこで通話は切れた。
すぐに掛け直してみたが、向こうの電話はすでに電源が切られていて…


「クソッ…!」

どうしてこんな事に…
兄貴の目的は一体何だ…?
俺の事なんか今までずっと無関心だったくせに…
彼の口振りからして、親父に何かけしかけられた訳ではなさそうだ。
それなら尚更その意図が解らない。

(せめて2人の居場所が判れば…)










*side 桜子*


「ん…」

「…目が覚めましたか?」

「……、」

霧がかかったようにぼんやりする頭と視界。
そんな私を見下ろしていたのは、すぐ傍に腰掛けていたジョエルさんで…

(…って……あれ?)


「ふふ…まだお酒が抜けていないようですね」

そう言いながらそっと私の頬を撫でてくる彼。
その彼は何故かバスローブを羽織っている。


「…!」

私はそこでようやく意識を失くす前の事を思い出した。
ガバッと体を起こし、ベッドの隅に移動する。

(そうだ、私…)

ジョエルさんにお酒を飲まされて、眠くなってそのまま…

ここは恐らく彼が取っていたというホテルの一室だろう。
しかも所謂スイートルームと呼ばれる超高級な部屋…

(…というか)


「…!?」

妙に肌寒いと思っていたら、私は下着上下しか身に着けていなかった。
慌てて手元にあったシーツを手繰り寄せる。


「すみません…ワンピースが皺になってはいけないと思い、脱がさせてもらいました」

「っ…」



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