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*トライアングル*【R18】

第3章 恋は盲目、ストーカーは犯罪





「…まっ、それは冗談だけど」

「………」

冗談に聞こえなかったのは私の気のせいじゃないはず…


「なぁ…だったら俺がそのストーカー捕まえてやる」

「え…?」

「…アンタを傷つけるヤツは俺が許さない」

「っ…」

真顔でそんな事を言われ、思わずドキッと心臓が跳ねる。
それと同時に、彼にこの件を打ち明けた事で少しだけ気が楽になった。


「でも…捕まえるってどうやって?」

「…俺に考えがある。アンタは何もしないで全部俺に任せておけばいい」

「……、」

「…家まで送る」

そう言って彼は立ち上がる。
彼への疑いが完全に晴れた訳ではないが、このまま何もしないでいても状況は変わらない。
今は一先ず彼の事を信じてみる事にした。





「あの……ありがとう」

「…別に」

アパートまで送ってもらい素直にお礼を言うと、彼は少し照れたように外方を向く。

(なんだ、可愛いとこもあるじゃない)

そう思ってクスクス笑っていると、ふと彼の顔が近づいてきた。
そして…


――チュッ…


「…!」

頬にキスをされた。
驚いて何も言えずにいる私を見て今度は彼が笑う。


「…おやすみ」

囁くようにそう言って彼は私の前から立ち去っていった。

(…前言撤回)

可愛いなんてやっぱり気のせいだ。
キスされた頬に手を触れ赤面した後、私はそそくさと部屋へ入った…










「…はよ」

「………」


翌朝。
アパートの入り口にはなぜかリアンくんがいた。


「おはよって……なんでここにいるの?」

「…店まで送る。ボディーガードっつーの?」

「い、いいよそこまでしてくれなくても!」

「アンタが1人の時に何かあったらどーすんだよ」

「それは……」

「礼ならストーカーを捕まえた後にたっぷり貰うから気にしなくていい」

「気にするよ!」

いつの間にそんな話になってるの?
確かに、無償で力になってほしいなんてムシのイイ話だとは思うけど…
勝手にボディーガードをやるって言って、その報酬はちゃっかり貰うって事?

(恐ろしいなこの子…)





「んじゃ帰りも迎えにいくから、俺が来るまで勝手に帰るなよ」

「………」

店に着いたと同時に彼はそう言った。
最早言い返す気力も無い。

去っていく彼の後ろ姿を見送って、私も店に入った。



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