第14章 疑惑と嫉妬

「桜子さんがエッチな事言うから…ホントにいっぱい出しちゃいました…」

「っ…」

耳元でそう囁かれ頬を赤く染める。


「でも…俺まだ足りません」

「……、」

「桜子さんのココも…まだ満足してないって言ってますよ？」

「ぁんっ…」

奥をコンコンッとノックされるように突かれ、皐月くんの言う通りまた疼いてしまう下腹部。


「…今度はたっぷり時間を掛けて可愛がってあげますね」

「っ…」

その言葉に私の胸は高鳴り、期待に体を熱くさせてしまうのだった…





「皐月くん…時間まだ平気なの？」

情事の後…私と皐月くんは２人一緒に湯船に浸かっていた。
大して広くもないその中で、彼に背を預け顔だけ後ろへ向ける。


「はい…大丈夫ですよ」

「でも…明日も大学でしょ？朝早いんじゃ…」

「体力には自信がありますから…１日くらい寝なくたって何て事ありません。…桜子さんこそ、もう体調は大丈夫なんですか？」

「うん…昼間たっぷり休んだから」

「…そうですか…良かった」

そう言って後ろから私を抱き締めてくる彼。


「俺…本当に幸せです。桜子さんとこうやって過ごせる事が…」

「…皐月くん……」

「時々…本当は夢なんじゃないかなって思う事があって…」

「………」

そう呟く皐月くんの腕をやんわり解き、体の向きを変えて彼と向き合う。
そして彼の両頬にそっと手を添えた。


「…夢なんかじゃないよ？」

「……、」

こつんと額を合わせた後、触れるだけのキスをする。
すぐに唇を離しふと視線を落とすと、まだうっすら残っている彼の首筋のキスマークが目に入った。
…チクリと痛む胸。
これは紫さんという人がふざけて付けたものだと解ってはいたけれど…

(もう…誰も皐月くんに触れてほしくない…)

その大きくて温かい手で触れるのも…
その優しい声で名前を呼ぶのも…

――私だけにしてほしい…

そんな身勝手な想いを抱きながら、そのキスマークの上から上書きするように唇を落としチュッと吸う。


「っ…、桜子さん…？」

「ごめん…私って結構ヤキモチ妬きかも」

「……、」

自分にこんな一面があるとは思わなかった。
こんな私に彼は呆れてしまうだろうか…？



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