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*トライアングル*【R18】

第3章 恋は盲目、ストーカーは犯罪





(リアンくんが?……いやいや、まさか…)

そんな事をする理由、彼には…


(…無いとは言えない……か)

私が彼の誘いを断ったから、とか?
あれだけ美少年ならきっとモテるだろうし、プライドを傷つけられたから、とか?

あの封筒には、私が仕事をしている時の写真も入っていた。
ここ最近、店に毎日来ている彼が盗撮したものだとしたら…?


「………」

そう考え始めると、彼が完全に"シロ"だとは思えなくなってきた。
きっと彼は今日も店に来るだろう。
それとなく探る事は出来ないだろうか?


そう思っていたが、その日彼は店に現れなかった。
「ますます怪しいですよぉ!」と可南子ちゃん。
彼女は私が心配だから家まで送ると申し出てくれたが、丁重にお断りした。
彼女の家は反対方向だし、逆に彼女に何かあったら困る。


…とは言ったものの。


(やっぱり気味悪いなぁ…)

ひょっとして昨日、背後に人の気配を感じたのは気のせいではなかったのだろうか?
嫌でも神経が過敏になり、自然と早歩きになる。
そのせいか、いつもより早くアパートに着いた。
そして昨日と同じくポストを開ける。


「………」

中にはまたしても、昨日見た切手の貼られていない封筒が入っていた。
開けるのが怖い……このまま見ずに捨ててしまおうか…

一瞬そう思ったが、怖いもの見たさの精神が勝ってしまい、私は部屋にも入らずその場で封を切った。


「…っ」

内容は昨日とほぼ同じだった。
私の盗撮写真が何枚か入っている。
ただ一つ違ったのは……

『いつも君を見ているよ』

そう書かれたメモが同封してあった事だ。
無機質なワープロの文字ではなく、手書きの文字。
差出人の念が込もっていそうで、それが余計に怖さを引き立たせる。

(ホントに誰なの……?)

恐怖に竦む足。
可南子ちゃんの言っていた通り、叔父さんに相談するべきだろうか…?

そう考えていた時、ふと背後に人の気配を感じた。
勢い良く振り返ると、そこには…


「っ……、あなた…!」

「…悪い。驚かせた?」

私の顔に余程緊張の色が見えたのか、彼は飄飄とそう言った。
……リアンくんだ。



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