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【黒子のバスケ】星降る夜に

第7章 GW合宿


お風呂を上がると丁度男湯からも何人か出てきたようだ。
一様にこちらを見るとすぐに目を逸らされてしまう。
彼らはきっと露天風呂での会話を聞いていたのだろう。

「もー、4人とも!お風呂場であぁいう会話しないの!」
「えへへ」
「えへへじゃない!」

ただ玲央ちゃんには怒られてしまった。
いくら宿が貸切とはいえ公共の場でする話ではなかっただろう。
まぁ殆ど聞き手に回ってたけど。

「あら」

時間を確認しようと思いスマホを探すもどこにもない。
落としたなら誰かしら必ず気付くはずだ。
そうじゃないとなると場所は必然的に脱衣所になる。

「飛鳥、これ持ってって。脱衣所にスマホ忘れたみたい」
「いいよ。気を付けてね」
「うん」

飛鳥に荷物を預けてさっきまで居た脱衣所に少し駆け足で戻った。
確かに元々使ってた場所にあったんでホッとしてポケットに仕舞う。
早く部屋に戻ろう。今夜は4人でお喋りの予定だ。

「あの、日向さん」
「!どうかした?」
「今から時間、いい?」

誰だっけ。名前は覚えてないけど確か同じ学科で違うクラスの。
何か学校のことで用事でもあるんだろうか。
そのままついてこいと言わんばかりに歩き始めてしまったんで後をついていく。
人目を避けたいのだろうか。だとしたら一つしかない。告白だ。
どんどん人の声が遠ざかって行く。
なんて言って断ろう。そう考えていると足が止まった。

「温泉での話、マジ?」
「だとしたら何かしら」

なんだ、そのことか。そう思って溜息を吐いた瞬間だった。

「いっ……つ………!な、にすんのよ!!」
「こんっなやらしい体して可愛いのに嘘だろ」
「はぁ?!アンタみたいな男に決めつけられたくないわね!」

手首を掴まれて壁に押し付けられた。
世間じゃ壁ドンとか言うんだろうか。全くキュンともしない。

「キスもまだだっていうのも?」
「悪いかしら。あいにく頭が固い女なのよ」

どうやって逃げよう。手首は拘束されてる。
足は動くけど手を掴まれたままじゃ逃げるのは難しいか。

「ねぇ、何してるの」

どうやって逃げるか考えているとにっこりと笑顔の辰也がいた。
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