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【黒子のバスケ】星降る夜に

第7章 GW合宿


思わず手を握ってしまった。怖かった。
少しでも誰かの体温が恋しかった。

「……何かあれば頼ってよ。俺を呼んで、春香」
「そんなの、迷惑でしょう」
「春香の為であればそんなことはないよ。俺は春香のこと好きだし、大事だと思ってるから」
「何それ、告白みたいね」

握られていない方の手で何度か頭を撫でてくる。
不思議と嫌じゃないし心が落ち着きすらした。

「ありがと、大分落ち着いたわ」
「じゃあ部屋まで送ってく。そうだ、一つ約束して」
「いいけど…」
「今度からは何があっても一人にならないこと。一人になるくらいだったら俺を呼ぶこと」
「……わ、分かった」

あの怖い笑顔を自分に向けられてしまえばイエスかはいしか言えなくなるだろう。
手を繋いだまま、部屋へと送られる。離せ、と言いたいところだったが自分から掴んだのだ。
自分からは少し言いにくい上に周りには結構人もいる。

「…前にも思ったけど、辰也の手はやっぱり大きいわ」
「そんなに華奢に見える?」
「えぇ、見えるわね」
「そこまでハッキリ言われると流石に傷付くよ」
「あら、ごめんなさい」

悪びれることもなくそう言った。
本当に女みたいにやっぱり綺麗なのだ。
こうして繋がれている手は男の人だと思うけどそれでも顔は女みたいに綺麗だし色も白いし。
華奢、と言えば華奢な方に入るんではないだろうか。

「でも見た目よりはガッシリしてると思うけど」
「はは、それはどうも」
「…あまり嬉しくなさそうな顔ね」
「そりゃまぁ、男の子なんで」
「よく分からない。あ、部屋、ここ。ありがとう、今日は」
「いえいえ。それじゃあお休み、お姫様」

そう言うとそのまま繋いでいた手の手首にキスをされる。

「早く治るといいね」

手を離されるとニコニコと笑顔で帰って行った。
さすが、王子様である。
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