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【黒子のバスケ】星降る夜に

第6章 天文部


春休みはまだまだ長い。
私はと言えばいつも通り寮から部室棟までは歩いてそこからエレベーターで部室へと向かっていた。
辰也が来るのは部活が始まる前とか終わった後、鍵を閉めるということを伝えに来るくらいだ。

「で、今日は何でいるのよ」

今私が部室に入った瞬間居たのは飛鳥だった。

「え?入部したから」
「…別にいいけどね。どうせなんか面倒なのに絡まれてんでしょ」
「そうそう。これから部活だからって手を使って断ろうと思って」

大学二年目。私1人だけだった天文部の部員は3人となった。

「それに、ハルと話すのってなんか減っちゃったし。
また高校の時みたいに一緒に居たいなって思って」
「あぁそう」

飛鳥が来たんでいつも通りにお茶の用意をする。
私が用意してる間に飛鳥は戸棚からお茶菓子を出してくれる。

「あれ、カップ増えてる?」
「た…氷室王子のよ」
「え、なんで?」
「部員になったから」

赤・ピンク・青・紫。今カップは4つある。
色を紫にしたのはなんとなくだ。
お茶を出すと飛鳥は凄いニヤニヤしている。
この表情は何か嫌な予感しかしない。

「氷室王子、隣の部屋なんだって?」
「誰に聞いたのかしら」
「玲央ちゃん」
「あぁ…隠してたのに」
「も~言ってくれれば良かったのに~」
「絶対にからかわれるから嫌だったの」

予想はしてたしまさかこんな早くバレると思わなかった。
まあ勘の鋭い飛鳥相手に1年隠しきったんだから十分だと思う。

「まぁ怒んないでよ~はいこれお菓子」
「あら、気が利くわね」
「前に玲央ちゃんと一緒に買い物行った時に買ってきたの。
すっごい美味しかったから春香にも食べて欲しくて!」

この部分だけ聞いたらどう聞いても私の恋人か何かかと。
私は飛鳥のこういう部分が嫌いじゃない。
箱を開けるとパウンドケーキだった。

「あら、おいしそう」
「でしょ!他にもマカロンとかタルトとかいっぱいあったんだけど日持ちする方がいいかなーって思って。
今度一緒に行こうよ!カフェも一緒にあるからそこでお茶しよ」
「うん、そうする。飛鳥の都合に合わせて呼んでくれればいいわ」

いくつもバイトを掛け持ちしてる彼女に私が合わせた方が早い。
それは高校時代から変わらない。だから良い。
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