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【黒子のバスケ】星降る夜に

第3章 大学1年 冬


実習を終えてから今日はスーパーに寄ってお菓子とゼリーと飲み物類、あとは普通に買い物を済ませて寮へ帰る。
いつも通り鍵を開けて入ると、今朝とは装いの違う氷室君が居た。

「お帰り、日向さん」
「ただいま。…あぁ、課題してたの?」
「うん。明日までだしね」
「ふーん。熱は?」
「今はもう平熱…疑わなくてもちゃんと寝てたよ?」
「あら、そう?」

冷蔵庫に食品をどんどん仕舞ってゼリーとスプーンをテーブルの上に出した。

「息抜きにしたら。買ってきたんだけど」

もう少し私も言い方があるだろうに。
彼にはみかんゼリーを渡し、自分はピーチゼリーの蓋をあけて目の前に座った。

「日向さん、桃好きなの?」
「好きだけど」
「そうなんだ。じゃあ今度美味しいケーキ買ってくるよ」
「…え、なんで?」
「昨日と今日のお礼」
「期待しないで待っておく」

本当可愛くない言い方しかできないなとつくづく思う。
多分、普通の女の子だったらこいつと一緒に居るだけで舞い上がれるぐらい単純なんだろうし一緒の部屋ってことでワンチャンぐらいまぁ狙ってるのも出そうだ。
しかしわざわざ私が彼に色目を使う理由も何もないし第一顔は好きだけど中身はまだ分からない。
悪いやつではないけど計算が多めでポーカーフェイス。
何考えてるか分からない男だなんてごめんだ。

「美味しかった、わざわざありがとう」
「いえいえ、どーいたしまして」

自分の顔は可愛い自覚はあるが中身まで可愛いとは思わない。
顔だけで言い寄って来る男は沢山いるし、それに勝手に嫉妬する女も多い。
好きではじめたことも周りのせいでやめたりした。

「お夕飯はパスタです。課題、頑張って。私寝るから7時に起こして」

そう告げて自分は着替えるのも面倒でそのまま布団に入ってぐっすりと眠りにつくんだった。
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