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【黒子のバスケ】星降る夜に

第3章 大学1年 冬



特別好きというわけではないけど好きなだけ。

「俺もね、星は好きだよ。星の物語が好きなんだ」
「部室に書籍なら揃ってるわよ、なんだったらいつでも借りに来たらいいわ。あの部屋の主は私だし」

自分のベッドに背中を預けながら顔を見て話す。
その距離は随分と近いけれど別になんてことはない。

「ねぇ、日向さん」
「ん?」
「やっぱり、なんでもない」
「そう。…あ、手。貸しなさい、握っててあげるから」

そっと出された手を握ると、随分暖かった。
熱のせいもだろうけど元々体温が高い方なのだろう。

「冷たくて気持ちいい。俺、子供体温だから」
「熱のせいもあるでしょうし…でも意外の一言ね。
私、冷え性なのもあるから。足して2で割ったらきっとぴったりだわ」

そんな風に他愛のない話をしていると彼は気が付くとぐっすり寝ていた。
もちろん、ずっと手は握りしめたままで。
年齢以上に大人びた顔つきをしているというのに行動はどこか子供っぽい。
まぁきっとそういうギャップに弱い女が多いんだろう。

(あれ、こいつ彼女いんのかな)

それだったら私は確実に恨まれても仕方ない。
その時は平謝りで許してもらおう。
立ち上がろうとしたところで手を放そうとすると、ぐいと引っ張られた。

「…行くなってことですか」

めんどくさい男だ。
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