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【黒子のバスケ】星降る夜に

第3章 大学1年 冬


そう言うとなるほど、と笑った。

「色々話は聞いたわよー」
「高校時代とか私にはなかったことに」
「はいはい、聞かなかったことにしたげる」
「感謝です。あ、そうそう。最近氷室君、練習来てないの?」

飛鳥に言われたのを思い出して聞いてみる。
実渕君と仲が良かったし何か知ってるかもしれない。
それにあの人も目立つ容姿をしている。

「そうみたいなのよ。学校自体も休んでるみたいで」
「そうなんだ。…様子、見てこようか?どうせ隣だし部屋に居たらだけど」
「お願いしてもいい?」
「うん、大丈夫。じゃあ寮こっちだから、原因分かったらメールするね」

共通点も共通の話題もないけれど共通の友人は居る。
一度部屋に帰って荷物を置いて隣の部屋のチャイムを押した。
……………出ない。

「ひ、ひむろ、くーん」

一応呼びかけるけど出てこない。
そっと入口のドアに手をかけて押してみると、そちらはすんなりと開いた。
いやいや。不用心にもほどがあるだろう。
出掛けているのかと思い玄関を見ていつもの氷室君の靴を見つけて部屋にいるのは確認できた。

「お、お邪魔しまー………す!?」

部屋の構造は一緒だから3LDK。トイレとお風呂は別付きだ。
そして彼の部屋の玄関入ってすぐの部屋は至ってシンプルだった。

床に楽譜さえ散らばっていなければ。

嗚呼掃除したい。その衝動をぐっと抑えて部屋の様子を見る限り少なくとも2,3日は掃除していないようだ。
不意に右奥の部屋…予測するにベランダ側の部屋から物音がしてそちらの部屋に足を向けると、彼はそこにいた。

「ちょ、氷室君、大丈夫?!」
「…?だれ………」
「日向 春香だよ、日向。隣の部屋。
とりあえずベッド……あぁもう!!あとで片付けるね!!
ひとまず立って、私の部屋来て!!」
「むり…」
「えぇ!?」

どうやら風邪でダウンしていたようだ。
急いで同じ棟内にいる顔見知り、というかバスケ部の男子に声をかけて私の部屋に運ばせた。
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