第12章 逆ハ?なにそれハムのお仲間おいしいの?(黒尾誕生日★番外編)
・・・
…………はー、さっぱり。
もう面倒だし二人しか居ないし、アイメイクだけでいいよね!うん。
「お待たせー」
「なぁニャンニャン、この漫画の続きってあるか?」
「うぉーい、ニャンニャン。転生スライムの2巻見当たらねぇぞ、どこにあんだ?」
「ねぇ、ほんとにウチ来るの初めて?」
お前ら少しは遠慮しろ。
人がいなくなった途端に自由すぎる行動やめてくれないかな?
仮にも一人暮らししてる女子高生の家なんだよ、通い慣れた男友達の部屋や小汚ない部室とは違うんですよ。
勝手に棚とかあさったりして何かイヤンな感じで気まずい物が出てきたらどうする気なのかな?
まぁ、見られて恥ずかしいものなんて置いてませんけどね。
「お、なんだコレ。ゲームソフトか……なっ!?」
「どうした夜久……な、んだこりゃっ、18禁ゲームばっかじゃねーか!?これもっ、コッチも!!」
「ぎゃー!わたしのお宝っ、乱暴に扱わないで傷がつく!!」
うぁあダメやめてっ、今は手に入らない幻の同人ソフトもあるんだからぁあ!!
慌てて黒尾くんとやっくんの手からソフトを取り返して棚に戻す。
「ニャンニャンお前未成年だろ、なんてもの持ってんだよ!」
「やっくんだってエロ本とか秘密のDVD……あ、Blu-rayかな?持ってるでしょ」
「持ってねぇよ!断定すんなっ」
「ええー……黒尾くんは持ってるよね」
「だから決めつけんな。持ってねーわ」
「うぇえー……」
うっそだぁー……え、ガチで?真面目に?
二人とも本当に男なの?男子高校生がそんなに清廉潔白でどうするのさ。
イマドキの流行りは絶食系男子ってか、なんだソレ早く廃れろ。
少子化通り越して人類滅亡ルートとか笑えないし乙女的にもおいしくないです、ごっくんできない。
……って、ん?なんだい黒尾くん。
おいでおいで〜な手招きしちゃって、わたしは幼い子供でもペットでもないぞ。
今回は特別なんだからな?なんて思いつつ素直に歩み寄れば、腰を大きく曲げて屈んだ黒尾くんがわたしの肩を軽〜く掴んで耳に顔を近づけてきた。