第12章 逆ハ?なにそれハムのお仲間おいしいの?(黒尾誕生日★番外編)
「ニャンニャン、夜久の靴もそこそこデカイんですけど」
「それがなに?」
「お前ってそういうヤツだよな、知ってた」
きょとん顔したら黒尾くんがしくしく泣き真似なんかしだした。
え、なんで?意味不明。
「黒尾、そこそこってなんだよ?自分がでかいからって嫌みか」
あ、やっくんサイズに敏感だから殺気立っちゃった。
黒尾くん珍しく凡ミスしたな。
「でもやっくん、本当に靴大きいね。これなら身長も、まだまだ今からグンと伸びそうだね」
「だよな!ニャンニャンまじ素直でイイ奴」
普段の倍増しに輝いた笑顔のやっくんに、頭をわしゃわしゃ撫でられる。
荷物の重さで加減しづらいのか、そのぶん頭もぐらぐら揺れた。
おおお振動が……!
撫でられるの嫌じゃないけど、やっくんもっと考えて。
「食べ物はこのカウンター、他の荷物はまぁ適当にあっちに置いていいよ。あ、ケーキはさすがに冷蔵庫いれとくね」
「わかった。これが料理で、こっちの袋は菓子類と飲み物少し」
「やっくん重かったんじゃない?飲み物くらい用意したのに」
「そしたらニャンニャンが重いだろ、3人分なんだし。黒尾も俺もおまえより鍛えてんだからいいんだよ」
どうしようやっくんが男前すぎる。
ほんっと可愛い見た目とのギャップ激しいな。
黒尾くんはわかりやすくモテるタイプだけど、やっくんは女子の密かな本命タイプだよね。
でも身長気にして彼氏対象から除外しちゃう女子も多いんだろうなぁ。
でも、やっくん小柄な女の子好きみたいだし大丈……あれ、そういう子ほど長身の男子に憧れたりするんだっけ?
「やっくん、どんまい」
「なにが?」
「ニャンニャンが唐突なのはいつものことだ、気にすんな夜っ久ん」
黒尾くんうるさいです。
身長なんて関係ないよやっくん、未来はきっと希望に輝いているはずだ。
やっくんの頭をぽんぽんして励まそうと手を伸ばす。
「…………あれ?」
届かない、だと!?
何故なんだ、前に頭を撫でようとしたときにはギリギリ指先が触れたというのに。
ま、まさか……。