第11章 ぼくらのサイド再度ストーリーは突然に
黒尾くんのジャージを掴んで、2人に挟まれる形で歩き辿り着いたファミリーレストラン。
注文したオムライスは熱々卵ふわとろでデミグラスソースとの相性ばっちり、おまけのシーザーサラダもレタスはまぁシャキシャキで、デザートのイチゴパフェも少し甘ったるいけどなかなかのボリュームでお腹は満たされた。
ドリンクバーって素敵だよね!ビバ飲み放題。
黒尾くん、やっくん、ゴチんなります。早くいつもの2人に戻ってちょ。
そうして夜。
小腹がすいて大特価のにぼしをぽりぽりかじりながらメールを送っていると、ラインメッセのお知らせがきた。
メール内容は本怖話。海くんには続きのラスト、黒尾くんとやっくんには新しい話を気になるところで切っておく。
「えーと、ラインライン……あ……孤爪くん…」
ほんのり後ろめたさを感じて、暑くもないのに汗が出てくる。
食べ物のことで頭がいっぱいでいつの間にか帰っちゃってた孤爪くんのことを忘れていたとかまさかそんなことはない。
……ないったら、ない。
けんま
『ごはん』
『おいしかった?』
ニー
『すっごく』
けんま
『よかったね』
ニー
『うん』
『今度はゲーセン行こうね』
けんま
『ニャンニャンさんのおごりなら』
ニー
『任せろ』
けんま
『じょうだんだよ』
ニー
『別にいいのに』
けんま
『やだ』
ニー
『言い方かわいいんですけど』
けんま
『うるさい』
ニー
『すいません』
けんま
『あのさ』
『やくくん』
ニー
『?』
ん?なんだ、やくくんがどうした。
………。
返事がない。ただの屍のようだ……昔の某RPGの言葉が頭をよぎる。