第11章 ぼくらのサイド再度ストーリーは突然に
「海も研磨も帰ったし。そろそろ飯食い行こうぜ、腹へった」
「そうだな。ニャンニャン、なに食いたい?」
ころころ、ころころ。
苺だけでもおいしいけど、ミルクと合わさると果実の尖った酸味が少しやわらいでまろやかな甘さとのハーモニーがもう天才的だと思う。
「これは聞こえてねーな」
「適当にファミレスにでも連れてくか」
「はいニャーちゃん、歩きましょうネ」
「抱えた方が早くね?ニャンニャンなら軽いだろ」
「夜久くん、この娘これでも年頃の女子ですから」
「それがどうしたんだ?」
「この鈍チンが。うっかり変なとこ触ったらいけないでしょうが」
「は?変な……とこ…………そっか…そう、だな。うん」
「わかればよろしい。んじゃ行くか、迷子防止にニャンニャンの手でも捕まえといて」
「黒尾が掴んどけば?」
「……俺だと周りから怪しまれる。いつものニャンニャンだったら問題ねえが」
「……今のニャンニャン、なにも答えられそうにないしな」
2人揃ってため息吐いたとか知らない。
時間が経ち、舐め続けて小さくなった飴玉を歯でガリガリして飲み込んだら、いつの間にかやっくんに手を引かれて駅前まで歩いていた。
んー……道中、記憶にございません。
黒尾くんに飴玉もう1個おねだりしたけど、移動中はダメって言われた。なんで?
どうやらファミレスに行くらしいよ。いつ決まったの?メニュー多いからなに食べようか迷うなぁ。
「やっくん、手ぇ疲れたんじゃない?離していいよ」
むしろ、なんで手を繋いでいるのか疑問だ。
「いや、迷子になったら困るからな」
迷子って、誰が?
「ニャンニャン。手ぇ繋ぐの嫌なんだったら、俺か夜久のジャージでも掴んどけ」
わたしかよ!!!?
そんなに子供じゃないんですけど!方向音痴でもなければ一人暮らしでアルバイトもこなしてる高校生なんですけど!!
そんな訴えも虚しく聞き流され、ファミレスに着いてからも2人からやたらと世話をやかれたのだった。
学校ではいつも通りだったのに………記憶のない間になにが起きたの?こわっ。