第11章 ぼくらのサイド再度ストーリーは突然に
ピコン。
「むお?」
また煮干しをぽりぽりしていたら画面に新しいメッセージが表示され、その不可解な内容につい間抜けな声をだして首を傾げた。
けんま
『なかいいんだね』
なかいいん。なか、いい、ん。なか、いい?なかが、いい……かな?やくくん、だから………やっくんと仲良しだねって?うむうむ。
ニー
『友達だからねー』
けんま
『ふーん』
『でも』
『むこうは、ちがうかも』
ニー
『ちがう?』
けんま
『ニャンニャンさん』
『すきだらけだから』
『きをつけて』
ニー
『うん、わかった』
けんま
『おやすみ』
ニー
『おやすみー』
ふむ。
よくわからないのに流れでわかったフリをしてしまった。
すきだらけ、とは……好きだらけ?隙だらけ?孤爪くん、メッセージは基本ひらがなだから解読たまに間違えたりするんだよね。
まあたぶん、隙だらけの方なんだろうなぁ。
そんなに心配しなくてもやっくんだし。反応が初々しくて可愛いやっくんだし。女子が下ネタ話すと赤くなってうろたえる、あのやっくんだし。
「……なんて安全パイ」
わたしはそういうの大好物だけどもうちょい耐性つけた方がいいかもね、やっくん。
基本的には、黒尾くんより男前なんだから大丈夫さ。
電池の減ったスマホを充電器に繋いで、寝る前の歯みがきをしながら1日をぼんやり振り返ってみる。
今日は女子からお菓子もらったし、久々にイケメン海くんと会えたし、黒尾くんとやっくんに夕飯ゴチになったし、孤爪くんの腰に抱きついちゃったし頭撫でてもらえたし………いいこと尽くめですな。
眠って夢の中で再生しよう、そうしよう。
明日のお昼は爆弾おにぎり3つ+αで決まりかな?ワンコインでお釣りがきてお腹も膨れるとか素敵すぎるよね!
明日もきっと、平凡で楽しい1日。