第11章 ぼくらのサイド再度ストーリーは突然に
バレー部が練習している体育館や部室に迎えに行くと3年の先輩方が嫌な意味でうるさいので、2人に「校門前しゅーごー。早く来ないと本怖メッセージ送り続ける」とメールして、2分ごとに『本当にあったら怖い話』を分割して打つことおよそ20分。
「ニャンニャン!お前っ………なんで続き送ってこねーの!?ラスト気になって仕方ねぇんですけど!!」
「ニャンニャン!ストーカーされてるストーカーがストーカーしたらストーカーはじめたストーカーって結局誰なんだよ!?」
黒尾くん、やっくん………人を余計に待たせておいて現れた第一声がそれか。
「久しぶり。待たせて悪いな、ニャンニャンさん。みんなあの話が気になってさ」
「海くん久しぶりー、元気そうでなによりだよ。続きは後でメールするね」
「ありがとう、楽しみにしてるな」
「「俺にも!」」
「だが断る」
黒尾くんとやっくんには絶対教えてやらない。気になって夜も眠れず悶々としているがいい!
違う話を中途半端に送ってやろう。
「……あれ?」
無言で気配もないから気づかなかったけど……背後に隠れてるのって、もしかしなくても孤爪くん?
ちょ、黒尾くん邪魔どいてブロックするのはバレーの時だけにしてよ!
黒尾くんに隠れるようにして立っている孤爪くんをよく見ようとしていたら、額に衝撃が走り思わず手で押さえる。
「ふぉおおお…!」
こ、この痛みは忘れもしない黒尾くんのデコピン!いきなりなにすんだこのやろー、怒ってるのこっちだぞ?
「こんなイイ男を前にして邪魔とはなんだ。ブロックとか上手いこと言ってんじゃねぇよ」
心の声がポロリしちゃってたらしい。
イイ男は女の子に強烈デコピンなんて繰り出さないと思う。座布団1枚ください。
「クロ、やめなよ。ニャンニャンさんも一応、女子なんだから」
まさか孤爪くんが庇ってくれるなんて胸きゅん……でも、一応ってなにかな?一応って。
気になるけど、深く突っ込んだら怪我しそうなのでやめておく。