第10章 ロングとショートの間はボブさん
もう部活も終わりな時間じゃない?先生話が長すぎるよ、おじいちゃんだから仕方がないの?そうなの?
「校門見えたー……あ、海くんだ」
下校するほかの生徒たちを避けながら全力ダッシュして校門まで行くと、出たらすぐある階段を下りているスポーツ刈りのイケメンを見つけた。
はたして声をかけていいものか、なんか友達といるっぽいしお邪魔かなー。
なんて、後ろでうだうだ考えてたら海くん含む3人が話している内容が聞こえてきて。
「いいね、何食う?」
「肉!」
「魚」
肉派と魚派にわかれたよ、あるある。
まさかでっかい方じゃなくて可愛い感じの男子の方が肉食とは意外だった。でも肉はともかく魚メインの食べ物屋さんって………定食屋?渋いとこいくね。
海くんはなに派なんだろ。
「「……」」
「(にこにこ)」
友達2人が今にもケンカしそうな雰囲気の中、それをにこにこ見守る海くんすごい………あ、なんかお腹すいてきたよ。わたしも食べに行きたいなぁ。
肉も魚もいいけどまずは炭水化物がほしい気分。
「魚て、オッサンかよ」
「ドコサヘキサエン酸が足りない発言は止めて頂きたいね」
「ぶふぉっ!!」
やっべ吹いた。
なにその呪文、どこのインテリくんなの?トサカ頭すごいね。
あ、こっち見た……ってそら見ますよねー。タイミングよく吹いた人間がいたら。まあお気になさらず続けてください、どうぞごゆっくり。
すぐに顔を背けて知らんぷりしていれば、海くんを除いた2人の男の子たちはまた言い合いをはじめた。
「ニャンニャンさん、今からカット行くの?」
「いえす!あの2人って友達?海くん、止めなくていいの?」
なんかまだ言い合ってますけど……目つき悪いトサカ頭でおもしろ発言した人と、可愛い顔立ちに反して口悪く気が強そうな人。
「ああ、バレー部の仲間なんだけど……まあ、いいんじゃないか?喧嘩するほど仲が良いって言うしな」