第9章 おまけな続き
「…俺はさっきニャンニャンに体を弄ばれたけどな」
「黒尾くんの体で遊んでも残念ながらちょっとしか楽しくないよ失礼だな」
しっかり弄んでほしければ孤爪くんとまでは言わないが、せめてやっくん並みの可愛さスキル取得してから出直してこい。
「お前の方が失礼だろ!やっぱりさっきのわざとか!」
あー、うるしゃい。
そんなのわざとに決まってるじゃないか、今どき乙女ゲームの内容だってすっっごいんだから声優さんたちの演技とか耳テロ鼻血ものなんだから。
あんな黒尾くんのわかりやすーい反応を見てなにもわからない純粋培養なお嬢様が、こんな普通の学校にいるわけないでしょうが。
「黒尾くんうるっさい」
下に落としていた紙パックを黒尾くんの顔面めがけて投げつけたら、パシッと難なく受けとめられる。
ちっ、反射神経いいな。
「あっぶねーな……ぐんぐんミルク?」
「新発売だったからそれにしてみた、おいしかったら味見ぷりーず」
それバナナがまじかるってんだよ?すごいよね、味の想像がつかない。
もうひとつ紙パックを拾うと、意識がお留守になってるやっくんに近寄ってその腕をぺしぺし叩く。
「……ニャンニャン?」
「はい、これやっくんの」
「おお、ありがとな」
紅茶物語を差し出せば、ニカッと眩しいエンジェルスマイルを見せてくれた。
どうやらさっきの傷もの云々な会話は、記憶の彼方にぽーいしてきたらしい。