第2章 はじまっちゃったよ二年生
そう、ゆるく………気持ちまでゆるゆるになっていたのだ。まさかうっかり始業式の日に朝寝坊ぶっこくとは思わなかったどうしよう。
寝ぼけた頭でどこか他人事のようにのんびり考え、ひとまず一番仲のよい友人にラインを送ってみる。
『おはよう』
すぐさまピコンとスマホが軽快な音を鳴らす。
クロ
『はよ。なんでいねぇの?』
クロ
『式もう終わったぞ』
まじか、もう終わったのか………まぁそうだろうなぁ。
時計の数字を確認して小さく頷いてみる。文字を打つのが面倒になり、式が終わったならと通話に切り替えて。
「もしもし、いま起きた」
「…まじか、さすがに驚いたわ」
「だよねー」
自分でも引くほど驚いたしね……いったい何時間寝たんだろう。
それはともかく、今から出ても学校へ着いた頃にはもう全てが終わっているはず。
「どうしよう?」
「あー…とりあえず来い、待っててやるから」
え、まじで?やっぱ行かないといけないの?というか確かこの人、放課後はほぼバレー部の練習なんかで埋め尽くされてなかったかな。
「バレーは?」
「体育館使えねーから今日は部活休みなんデス。ほら明日の、新入生歓迎会の準備とかで……ってお前、出るんじゃなかった?」
………あ。そういえば、ただ居るだけでいいからって言われたから引き受けたんだったよ忘れてた。