第4章 ~冬~ 12月
それからの数日間。
ずっと、リヴァイの事を考えていた。
何故、あの手紙が私の元へ回って来たのだろう?
それが不思議でならなかった。
でも、混乱しきった頭が落ち着いた頃
これは私が読む運命だったのかな。と、思えるようになった。
だとしたら……
「24日から26日の3日間、休暇を頂いても良いですか?」
エルは、書類に目を通すナイルへ声をかけた。
「はぁ!?お前、年度末の忙しい時期に何言ってんだ」
「今日は20日です。今日を含めてあと4日、そして27日からも早出、残業、なんでもします」
「そんな事、急に言われてもなぁ……」
「申し訳ありません。でも……その日じゃないとダメなんです。お願いします」
ナイルへ向かい、深く頭を下げた。
「……何かあったか?」
ナイルが不思議そうにこちらを覗き込む。
エルは顔を上げ、目の前の優しい上官を見つめた。
あの手紙を受け取ったのが私だったこと。それはきっと、偶然じゃないと思うから……
「あの人の所へ行って、情けない女になってこようと思って」
その声は少し震えていて。
事情を説明すれば、ナイルは驚き声をあげたが……
私の考えを理解し、わがままを許してくれた。
「ったく、調査兵団はいつも俺の気を揉ますな」
「師団長にしか頼めない事があるんですよ。本当に……いつもありがとうございます」
いつか聞いたやり取り。
エルヴィン団長になりきって言葉を並べれば、ナイルが私の頭を優しく撫でた。
迷いはない
私は、リヴァイに会いに行く。