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【進撃の巨人/リヴァイ生誕祭】④忘れた頃に

第3章 ~秋~ 10月



「んぁっ……っん……」


僅かに開いた隙間から、必死に空気を取り込む。

その際。吐息を漏らせば、苦しい程に抱きしめられた。


快感に溺れるその最中。

私はうわごとのように、彼の名を呼んだ。


「リヴァ……へぃ…ちょぅ」



その瞬間。



バッという空気音と共に、彼の身体が離れた。

腰に回されていた手は、私の両肩に置かれ。

腕の長さの分だけ、私達の距離を開ける。



「……兵士長?」



一体何事かと、私は間抜けな声を出す。

今分かるのは……
2人の間を抜ける風が『冷たい』という事と。

肩に置かれた彼の手が、僅かに『震えている』という事だ。



「……悪かった」


「……え?」


聞こえたのは謝罪の言葉。

彼は俯いたままで、その表情を知る事は出来ない。



「お前は……俺に踊らされただけだ」


肩に置かれた手に、グッと力が込められた。


「おそらく俺が先に、お前に好意を抱いた……すまなかった」


「どういう……事でしょうか?」


どこに謝る必要性がある?

……彼の意図が分からない。


「似てるんだ」


こんな悲痛な声、聞いた事がない。



「愛した女に。お前は似てるんだ」



……今、なんて言った?


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