第3章 ~秋~ 10月
彼は私の下唇を、優しく吸い上げる様に一旦離れ……
再び、私にキスをした。
今度は深く。濃厚に。
「っん……ぅ……」
彼の舌が、口内に入ってくる。
互いの舌を絡ませつつ
私の歯列の裏側を、リヴァイはいやらしくなぞる。
ぞくっと湧き上がる快感に驚き、思わず一歩後退すれば
彼はそのまま、私を手近な建物へ押し付けた。
少しの衝撃と共に、背中に感じる冷たい壁の感触。
余計に感じる、リヴァイの熱い体温。
「エル」
唇が離れた僅かな隙に、彼は私の名を呼ぶ。
その余裕の無い声も、表情も。
私を溺れさせるには十分で。
三度重ねられた唇に。
私は必死に舌を絡ませる。
もっと彼を感じたくて……
愛おしい背中に手を回した。